売り方ラボ
収入・税金

ハンドメイド作家が青色申告を申請する方法【期限・書類・手順の完全ガイド】

売り方ラボ
||6分で読める
📋

青色申告とは

青色申告は、複式簿記による正確な帳簿を作成することを条件に、様々な税務上の特典を受けられる申告方法です。ハンドメイド作家を含む個人事業主にとって、青色申告は節税の最重要手段の一つです。

対照となる「白色申告」は帳簿の負担が軽い反面、青色申告のような特典はありません。

青色申告の申請条件

青色申告ができるのは、以下の所得がある個人です。

  • 事業所得:事業として継続的に商品・サービスを販売して得た所得
  • 不動産所得:不動産の貸し付けによる所得
  • 山林所得:山林の売買による所得

ハンドメイド作家の場合、販売活動が「事業」と認められれば事業所得として青色申告が適用されます。副業で年間20万円程度の売上しかない場合は雑所得と判断されることがあり、その場合は青色申告が使えません。

事業所得と認められるポイント

  • 継続的・反復的に販売活動を行っている
  • 利益を得ることを目的としている
  • 帳簿を記帳している
  • 開業届を提出している

青色申告の申請期限

パターン1:すでに事業を行っている場合

すでに事業所得として確定申告しているが、まだ青色申告をしていない場合は、青色申告を行いたい年の3月15日までに申請書を提出する必要があります。

例:2026年分から青色申告したい → 2026年3月15日までに申請

パターン2:新規開業の場合

開業日 申請期限
1月1日〜1月15日の開業 開業年の3月15日まで
1月16日以降の開業 開業日から2ヶ月以内

例:2026年5月1日に開業 → 2026年6月30日までに申請

この期限を過ぎると、その年は白色申告となり、翌年分から青色申告が適用されます。

必要書類

1. 開業届(個人事業の開廃業等届出書)

事業を開始した場合に提出する届出書です。開業日から1ヶ月以内に税務署へ提出します。青色申告承認申請書と同時に提出する場合が多いです。

入手方法:税務署の窓口、国税庁のWebサイトからダウンロード

2. 青色申告承認申請書(所得税の青色申告承認申請書)

青色申告を行うために必須の申請書です。A4サイズ1枚で、記入項目は比較的シンプルです。

記入する主な項目

  • 氏名・住所・個人番号(マイナンバー)
  • 事業所の所在地・屋号
  • 事業の種類
  • 青色申告の対象となる所得の種類
  • 簿記の種類(複式簿記または簡易簿記)
  • 備付帳簿名(現金出納帳・売掛帳・仕入帳など)

提出方法

方法1:税務署の窓口へ持参

最寄りの税務署に直接持参する方法です。窓口で職員が書類を確認してくれるため、記入漏れや不備があればその場で修正できます。2部用意して1部に受付印をもらって持ち帰ると控えになります。

方法2:郵送

税務署宛に書類を郵送します。控えが必要な場合は、書類を2部用意して返信用封筒(切手貼付済み)を同封します。

方法3:e-Tax(電子申告)

国税庁のe-Taxシステムから電子申請できます。マイナンバーカードとスマホがあれば自宅から手続き可能です。

青色申告特別控除の種類

青色申告の最大のメリットである特別控除は、帳簿の種類と申告方法によって金額が変わります。

控除額 条件
65万円 複式簿記による記帳+e-Taxで電子申告
55万円 複式簿記による記帳+紙で申告
10万円 簡易簿記による記帳

所得が65万円以下であれば、65万円控除によって課税所得がゼロになり、所得税・住民税がかからなくなる可能性があります。年間所得が100万円の場合でも、控除後の課税所得は35万円になります。

青色申告のその他の特典

赤字の繰越控除(3年間)

事業で赤字が出た年は、翌年以降3年間にわたってその赤字を黒字から差し引けます。設備投資した年など赤字になりやすい年の税負担を、将来の利益で相殺できます。

青色事業専従者給与(家族への給与を経費化)

一緒に事業を手伝う配偶者や15歳以上の親族に支払う給与を経費として計上できます。事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

少額減価償却資産の特例(30万円未満一括経費)

通常10万円以上の設備・機材は複数年で分割して経費化(減価償却)しますが、青色申告者は30万円未満の備品を購入年に一括で経費計上できます。ミシン・カメラ・3Dプリンターなど高額な道具を購入した年の節税に役立ちます。

貸倒引当金の計上

売掛金(まだ受け取っていない代金)の回収不能リスクに備えて、一定額を経費として計上できます。

申請後の流れ

青色申告承認申請書を提出すると、通常は承認の通知は来ません(不承認の場合のみ通知)。翌年2〜3月に行う確定申告から青色申告書を使って申告します。

初めての青色申告では、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを使うと、複式簿記の帳簿が自動的に作成されるため、専門知識がなくても申告書を完成させられます。

まとめ

青色申告の申請は、開業届と「所得税の青色申告承認申請書」の2枚を税務署に提出するだけです。新規開業の場合は開業から2ヶ月以内、既存事業は3月15日が期限です。e-Taxで電子申告すれば65万円の特別控除が受けられ、節税効果は非常に大きいです。ハンドメイド販売を事業として継続するなら、早めに青色申告の手続きを済ませておくことを強くお勧めします。