ハンドメイド作家が青色申告を申請する方法【期限・書類・手順の完全ガイド】
この記事の目次
- 1. 青色申告とは
- 2. 青色申告の申請条件
- └ 事業所得と認められるポイント
- 4. 青色申告の申請期限
- └ パターン1:すでに事業を行っている場合
- └ パターン2:新規開業の場合
- 7. 必要書類
- └ 1. 開業届(個人事業の開廃業等届出書)
- └ 2. 青色申告承認申請書(所得税の青色申告承認申請書)
- 10. 提出方法
- └ 方法1:税務署の窓口へ持参
- └ 方法2:郵送
- └ 方法3:e-Tax(電子申告)
- 14. 青色申告特別控除の種類
- 15. 青色申告のその他の特典
- └ 赤字の繰越控除(3年間)
- └ 青色事業専従者給与(家族への給与を経費化)
- └ 少額減価償却資産の特例(30万円未満一括経費)
- └ 貸倒引当金の計上
- 20. 申請後の流れ
- 21. まとめ
青色申告とは
青色申告は、複式簿記による正確な帳簿を作成することを条件に、様々な税務上の特典を受けられる申告方法です。ハンドメイド作家を含む個人事業主にとって、青色申告は節税の最重要手段の一つです。
対照となる「白色申告」は帳簿の負担が軽い反面、青色申告のような特典はありません。
青色申告の申請条件
青色申告ができるのは、以下の所得がある個人です。
- 事業所得:事業として継続的に商品・サービスを販売して得た所得
- 不動産所得:不動産の貸し付けによる所得
- 山林所得:山林の売買による所得
ハンドメイド作家の場合、販売活動が「事業」と認められれば事業所得として青色申告が適用されます。副業で年間20万円程度の売上しかない場合は雑所得と判断されることがあり、その場合は青色申告が使えません。
事業所得と認められるポイント
- 継続的・反復的に販売活動を行っている
- 利益を得ることを目的としている
- 帳簿を記帳している
- 開業届を提出している
青色申告の申請期限
パターン1:すでに事業を行っている場合
すでに事業所得として確定申告しているが、まだ青色申告をしていない場合は、青色申告を行いたい年の3月15日までに申請書を提出する必要があります。
例:2026年分から青色申告したい → 2026年3月15日までに申請
パターン2:新規開業の場合
| 開業日 | 申請期限 |
|---|---|
| 1月1日〜1月15日の開業 | 開業年の3月15日まで |
| 1月16日以降の開業 | 開業日から2ヶ月以内 |
例:2026年5月1日に開業 → 2026年6月30日までに申請
この期限を過ぎると、その年は白色申告となり、翌年分から青色申告が適用されます。
必要書類
1. 開業届(個人事業の開廃業等届出書)
事業を開始した場合に提出する届出書です。開業日から1ヶ月以内に税務署へ提出します。青色申告承認申請書と同時に提出する場合が多いです。
入手方法:税務署の窓口、国税庁のWebサイトからダウンロード
2. 青色申告承認申請書(所得税の青色申告承認申請書)
青色申告を行うために必須の申請書です。A4サイズ1枚で、記入項目は比較的シンプルです。
記入する主な項目:
- 氏名・住所・個人番号(マイナンバー)
- 事業所の所在地・屋号
- 事業の種類
- 青色申告の対象となる所得の種類
- 簿記の種類(複式簿記または簡易簿記)
- 備付帳簿名(現金出納帳・売掛帳・仕入帳など)
提出方法
方法1:税務署の窓口へ持参
最寄りの税務署に直接持参する方法です。窓口で職員が書類を確認してくれるため、記入漏れや不備があればその場で修正できます。2部用意して1部に受付印をもらって持ち帰ると控えになります。
方法2:郵送
税務署宛に書類を郵送します。控えが必要な場合は、書類を2部用意して返信用封筒(切手貼付済み)を同封します。
方法3:e-Tax(電子申告)
国税庁のe-Taxシステムから電子申請できます。マイナンバーカードとスマホがあれば自宅から手続き可能です。
青色申告特別控除の種類
青色申告の最大のメリットである特別控除は、帳簿の種類と申告方法によって金額が変わります。
| 控除額 | 条件 |
|---|---|
| 65万円 | 複式簿記による記帳+e-Taxで電子申告 |
| 55万円 | 複式簿記による記帳+紙で申告 |
| 10万円 | 簡易簿記による記帳 |
所得が65万円以下であれば、65万円控除によって課税所得がゼロになり、所得税・住民税がかからなくなる可能性があります。年間所得が100万円の場合でも、控除後の課税所得は35万円になります。
青色申告のその他の特典
赤字の繰越控除(3年間)
事業で赤字が出た年は、翌年以降3年間にわたってその赤字を黒字から差し引けます。設備投資した年など赤字になりやすい年の税負担を、将来の利益で相殺できます。
青色事業専従者給与(家族への給与を経費化)
一緒に事業を手伝う配偶者や15歳以上の親族に支払う給与を経費として計上できます。事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。
少額減価償却資産の特例(30万円未満一括経費)
通常10万円以上の設備・機材は複数年で分割して経費化(減価償却)しますが、青色申告者は30万円未満の備品を購入年に一括で経費計上できます。ミシン・カメラ・3Dプリンターなど高額な道具を購入した年の節税に役立ちます。
貸倒引当金の計上
売掛金(まだ受け取っていない代金)の回収不能リスクに備えて、一定額を経費として計上できます。
申請後の流れ
青色申告承認申請書を提出すると、通常は承認の通知は来ません(不承認の場合のみ通知)。翌年2〜3月に行う確定申告から青色申告書を使って申告します。
初めての青色申告では、freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを使うと、複式簿記の帳簿が自動的に作成されるため、専門知識がなくても申告書を完成させられます。
まとめ
青色申告の申請は、開業届と「所得税の青色申告承認申請書」の2枚を税務署に提出するだけです。新規開業の場合は開業から2ヶ月以内、既存事業は3月15日が期限です。e-Taxで電子申告すれば65万円の特別控除が受けられ、節税効果は非常に大きいです。ハンドメイド販売を事業として継続するなら、早めに青色申告の手続きを済ませておくことを強くお勧めします。