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価格設定

値上げを決断した後の進め方【既存顧客を傷つけない価格改定のコミュニケーション】

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値上げは「決断」より「伝え方」が9割

材料費の高騰・送料の値上がり・制作時間の見直し——ハンドメイド作家が値上げを決断する理由はさまざまです。しかし「値上げしたら買ってもらえなくなる」という不安から、適切な価格設定を先送りにしてしまう作家は多い。

実際のところ、値上げで客が離れるかどうかは「値上げの幅」より「伝え方」で決まります。

値上げのアナウンス方法

告知のタイミングと媒体

告知タイミング 推奨のリードタイム
Instagramのフィード投稿 値上げ2〜3週間前
ストーリーズでのリマインド 値上げ1週間前・3日前・前日
ショップのお知らせ欄 値上げ1〜2週間前から掲載
過去の購入者へのメッセージ 値上げ1週間前(特別割引があれば添付)

告知のポイントは「なぜ値上げするのか」の理由を誠実に伝えることです。「材料費が上がった」「より品質の良い素材を使うことにした」「制作時間が適切に反映されていなかった」など、理由を明示することでお客様の理解を得やすくなります。

値上げアナウンスの文章例

【価格改定のお知らせ】

いつも作品をご覧いただきありがとうございます。

このたび、原材料費の高騰と配送料の値上げに伴い、
〇〇年〇月〇日(〇)より一部商品の価格を改定いたします。

改定前から引き続きご愛顧いただければ大変嬉しいです。
改定前のご購入はあと〇日間受け付けております。

今後も作品の品質と制作への想いは変わらずお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

シンプルで誠実な文章が、顧客の反感を最小限に抑えます。

値上げ幅の目安

一度に20〜30%以内が心理的抵抗が少ない

値上げ幅 心理的影響 推奨度
〜10% ほぼ気づかれないか許容される 推奨
10〜20% 多くの顧客が受け入れる 推奨
20〜30% 一部顧客が離れる可能性あり 許容範囲
30〜50% 売上が一時的に落ちる可能性大 要注意
50%以上 段階的に行うことを強く推奨 要分割

大幅な値上げが必要な場合は、一度に50%上げるより「今回20%→半年後さらに20%」という段階的な値上げの方が、顧客の心理的ショックを軽減できます。

値上げ率の計算例

現在2,000円のアクセサリーを値上げする場合:

  • 10%値上げ:2,200円
  • 20%値上げ:2,400円
  • 30%値上げ:2,600円

切りの良い価格(2,200円・2,500円・3,000円)にまとめると、価格表示がすっきりして顧客に好印象を与えます。

駆け込み購入を促すキャンペーン設計

値上げ前の期間を「特別価格での最終販売期間」として演出することで、在庫消化と売上促進を同時に実現できます。

キャンペーン設計の例

「値上げ前の最後のチャンス」キャンペーン:

  • 期間:値上げ1〜2週間前
  • 内容:現行価格での販売継続(または追加割引なし)
  • 告知:「〇月〇日以降は価格改定のため、現行価格での販売はあと〇日間です」

「リピーター限定サンクスクーポン」:

  • 対象:過去の購入者
  • 内容:値上げ後1ヶ月間使える5〜10%OFFクーポン
  • 目的:既存顧客の離脱防止・次回購入への橋渡し

駆け込み購入は売上の短期的な山を作りますが、顧客の財布を使い切らせてしまうため、次の購入まで時間がかかることもあります。キャンペーンは短期間(1〜2週間)に留めましょう。

値上げ後の売上変化の予測と対策

値上げ直後に起きること(典型的なパターン)

時期 売上の変化
値上げ告知〜値上げ直前 駆け込み購入で売上増
値上げ後1〜2週間 一時的な売上低下
値上げ後1〜2ヶ月 徐々に回復・新しい単価で安定
値上げ後3ヶ月以降 新単価での売上が定常化

多くの場合、値上げ後1〜2週間は売上が落ちますが、2〜3ヶ月で回復します。この期間を「一時的な調整期間」と割り切ることが重要です。

売上が回復しない場合の対策

  • 商品写真のリニューアル(新単価に見合った高品質な写真に)
  • 商品説明文の強化(素材・制作時間・こだわりを詳しく記載)
  • 新作の投入(新しい価格帯でのラインナップを追加)
  • 値上げした商品の「価値の再説明」をSNSで継続的に発信

「値上げしても売れる」ブランド力の判断基準

値上げを怖れずに行えるブランド力があるかどうかの目安:

  • リピーター率が30%以上:既存顧客からの信頼がある証拠
  • レビュー(評価)の件数が多い・星5が多い:品質への信頼の蓄積
  • SNSのフォロワーがエンゲージメントしている:作品への関心度が高い
  • 「いつ入荷しますか?」「次の新作はいつですか?」という問い合わせがある:待ってくれている顧客の存在

これらの条件が揃っていれば、20〜30%の値上げでも多くの顧客はついてきます。

まとめ:値上げは「ブランドへの投資」

適切な価格設定は、作家自身の持続可能性のためだけでなく、品質の維持・向上のために必要なことです。低価格のまま制作を続けると、材料費のかけられる上限が下がり、品質が低下し、最終的にブランドが崩れます。

値上げを「申し訳ないこと」ではなく「ブランドへの投資」として捉え、誠実なコミュニケーションで顧客に伝えることが、長期的な関係を守ることにつながります。

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