ハンドメイド副業で個人事業主になると社会保険はどう変わる?
この記事の目次
- 1. 個人事業主になると社会保険はどう変わる?
- 2. 会社員と個人事業主の社会保険の違い
- └ 退職後の選択肢
- 4. 国民健康保険の保険料
- 5. 国民年金の手続き
- 6. 副業のまま会社員を続ける場合
- 7. まとめ
- 8. 任意継続と国保、どちらが有利か比較する方法
- └ 任意継続の計算方法
- └ 国民健康保険の計算方法
- 11. 個人事業主が利用できる社会保険的な制度
- └ iDeCo(個人型確定拠出年金)
- └ 小規模企業共済
- └ 国民年金基金
- 15. 社会保険上のメリット・デメリット一覧
- └ 失うもの(会社員から個人事業主へ)
- └ 得るもの・変わらないもの
- 18. 開業届を出すと扶養から外れるか
- 19. まとめ:個人事業主と社会保険のポイント
個人事業主になると社会保険はどう変わる?
会社を辞めてハンドメイド作家として独立する場合、社会保険(健康保険・年金)の手続きが必要です。会社員時代とは保障内容も負担額も変わるため、事前に理解しておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の判断は専門家にご相談く���さい。
会社員と個人事業主の社会保険の違い
| 項目 | 会社員 | 個人事業主 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 協会けんぽ or 健保組合 | 国民健康保険 |
| 年金 | 厚生年金(手厚い) | 国民年金のみ |
| 保険料負担 | 会社と折半 | 全額自己負担 |
| 傷病手当金 | あり | なし |
| 出産手当金 | あり | なし |
退職後の選択肢
- 国民健康保険に加入(市区町村の窓口で手続き)
- 任意継続被保険者(退職後2年間、会社の保険を継続。全額自己負担)
- 家族の扶養に入る(収入が130万円未満の場合)
国民健康保険の保険料
国民健康保険の保険料は自治体によって大きく異なります。前年の所得をもとに計算されます。
目安(年間、東京23区の場合):
| 年間所得 | 国保料(概算) |
|---|---|
| 100万円 | 約10万円 |
| 200万円 | 約20万円 |
| 300万円 | 約35万円 |
| 400万円 | 約45万円 |
注意: 退職1年目は前職の給与所得で計算されるため、保険料が高くなる場合があります。
国民年金の手続き
退職後14日以内に市区町村の窓口で手続きが必要です。
- 保険料: 月額16,980円(2026年度)
- 付加年金: 月額400円追加で将来の年金を増額できる
- 国民年金基金・iDeCo: 老後資金と節税を両立
副業のまま会社員を続ける場合
会社員を辞めずにハンドメイド販売をする場合は、社会保険の手続きは不要です。本業の会社で加入している健康保険・厚生年金がそのまま適用されます。
まとめ
- 独立する場合は国保・国民年金への切り替えが必要
- 任意継続と国保を比較して有利な方を選ぶ
- 退職1年目は保険料が高くなる可能���あり
- 副業のまま会社員を続けるなら手続き不要
- iDeCoや付加年金で老後資金も準備
任意継続と国保、どちらが有利か比較する方法
退職後に任意継続と国民健康保険のどちらが安いかは、個人の状況によって異なります。
任意継続の計算方法
退職時の標準報酬月額 × 健康保険料率(全額)
例:標準報酬月額30万円、東京の協会けんぽの場合
→ 30万円 × 10.0% = 月3万円
国民健康保険の計算方法
前年の所得 × 自治体の料率 + 均等割
簡易的な比較表(目安):
| 前年所得 | 任意継続(月額目安) | 国保(月額目安) |
|---|---|---|
| 200万円 | 約3万円 | 約1.7万円 |
| 300万円 | 約3万円(上限) | 約2.5万円 |
| 400万円 | 約3万円(上限) | 約3.5万円 |
前年所得が低い場合は国保が有利なことが多く、所得が高い場合は任意継続が有利なケースがあります。
個人事業主が利用できる社会保険的な制度
会社員と比べると社会保険の保障が薄い個人事業主ですが、以下の制度を活用することで補完できます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掛け金上限 | 月額68,000円(国民年金基金と合算) |
| 節税効果 | 掛け金全額が所得控除 |
| 受取時期 | 60歳以降 |
| 投資先 | 定期預金・投資信託等から選択 |
小規模企業共済
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掛け金 | 月額1,000〜70,000円 |
| 節税効果 | 掛け金全額が所得控除 |
| 受取時期 | 廃業・退職時 |
| 受取方法 | 一括・分割・一括+分割 |
小規模企業共済は「個人事業主の退職金制度」とも呼ばれます。事業をやめるときに受け取れるため、長期的な資産形成に活用できます。
国民年金基金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掛け金上限 | 月額68,000円(iDeCoと合算) |
| 節税効果 | 掛け金全額が社会保険料控除 |
| 給付 | 老齢年金(終身型・確定型から選択) |
社会保険上のメリット・デメリット一覧
個人事業主になることで失うものと得るものを整理します。
失うもの(会社員から個人事業主へ)
| 給付 | 内容 |
|---|---|
| 傷病手当金 | 病気・ケガで働けない時の給付 |
| 出産手当金 | 出産前後の所得補償 |
| 失業給付 | 廃業しても受給できない(要件により例外あり) |
| 厚生年金の上乗せ | 国民年金のみになるため将来年金額が減る |
得るもの・変わらないもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出産育児一時金 | 国民健康保険でも受給可能(50万円) |
| 医療費の自己負担割合 | 同じ(原則3割) |
| 高額療養費制度 | 国民健康保険でも適用可能 |
開業届を出すと扶養から外れるか
よくある誤解として、「開業届を出したら自動的に扶養から外れる」というものがあります。
結論:開業届を出しただけでは扶養から外れません。
扶養の判定基準はあくまで「収入(または所得)」であり、開業したかどうかではありません。ただし、健康保険組合によっては「個人事業主になった場合は被扶養者として認めない」という規定を設けているケースがあります。必ず配偶者の健康保険組合に確認してください。
まとめ:個人事業主と社会保険のポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 退職後の選択肢 | 国保・任意継続・扶養の3択 |
| 年金の切り替え | 退職後14日以内に市区町村へ |
| 老後資金の補完 | iDeCo・小規模企業共済・国民年金基金 |
| 扶養の判定 | 開業届ではなく収入額で判定 |
| 傷病対策 | 民間の就業不能保険・所得補償保険を検討 |
会社員時代に当たり前だった社会保険の保障が、個人事業主になると大きく変わります。特に傷病手当金がなくなる点は、病気や怪我のリスクに備える上で重要です。民間保険や各種積立制度を組み合わせて、自分に合った社会保障の網を作りましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の社会保険・税務判断は社会保険労務士・税理士にご相談ください。情報は2026年4月時点のものです。