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会社員がハンドメイド副業をする際の注意点【就業規則の確認方法】

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会社員でもハンドメイド副業はできる?

結論から言うと、ほとんどの会社員はハンドメイド副業が可能です。2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定して以来、副業を認める企業は増加傾向にあります。ただし、始める前に必ず就業規則を確認することが重要です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の判断は勤務先や専門家にご相談ください。


就業規則の確認ポイント

条項 確認ポイント
副業・兼業規定 禁止?許可制?届出制?
競業避止義務 同業での副業禁止条項
秘密保持義務 情報漏洩に関する規定
勤務時間外活動 本業に支障がないことの条件

副業規定の3パターン

パターン1:副業禁止 — 公務員や一部の金融機関等。ただし趣味の範囲と判断される場合は例外も。

パターン2:許可制 — 上司や人事に申請して許可を得る。最も多いパターンで、申請すれば認められるケースが大半。

パターン3:届出制 — 届出するだけでOK。副業に寛容な企業で増加中。


副業届出の提出方法

許可制・届出制の場合、以下を含む届出が必要です。

  • 副業の内容:「ハンドメイドアクセサリーの製作・販売」
  • 副業先:「個人事業(自営)」
  • 想定される収入:「月数万円程度」
  • 副業に充てる時間:「平日夜間・休日、週10時間程度」
  • 本業への影響がないことの説明

ポイント: 正直に書く。収入は控えめに。競合にあたらないことを明確に。


副業バレの主なパターンと対策

1. 住民税からバレる

副業の所得が増えると住民税額が変わり、会社の経理担当が気づく可能性があります。

対策: 確定申告時に住民税を「自分で納付(普通徴収)」に設定する。

2. SNSからバレる

InstagramやTwitterで同僚に見つかるケース。

対策: 本名ではなくブランド名で活動。顔出しは慎重に。

3. 口コミからバレる

信頼できる人以外には話さないのが鉄則です。


副業と税金の基本

所得20万円の壁

会社員が副業をする場合、副業の所得(売上−経費)が年間20万円を超えると確定申告が必要です。

ケース 年間売上 経費 所得 確定申告
Aさん 30万円 15万円 15万円 不要
Bさん 50万円 25万円 25万円 必要
Cさん 100万円 85万円 15万円 不要

重要: 20万円以下でも住民税の申告は必要です。

経費として認められるもの

  • 材料費(天然石、金具、布等)
  • プラットフォーム手数料
  • 梱包材・送料
  • 通信費(按分)
  • 撮影用機材(按分)
  • イベント出店料
  • 書籍・講座代

トラブルを避ける5つのルール

  1. 本業の時間中に副業をしない — 勤務時間中の制作やSNS投稿は絶対NG
  2. 会社の備品を使わない — PC、プリンター、メールアドレスは個人のものを使用
  3. 本業の情報を流用しない — 顧客リスト等の流用は厳禁
  4. 体調管理を怠らない — 本業のパフォーマンス低下は副業禁止の根拠に
  5. 確定申告を忘れない — 無申告は追徴課税のリスク

公務員の場合

公務員は法律により営利企業への従事が制限されています。ただし「趣味の範囲」での小規模な販売や、任命権者の許可を得た場合は例外の可能性も。必ず所属長や人事課に確認しましょう。


まとめ

  1. 就業規則を確認する(禁止/許可制/届出制)
  2. 必要に応じて届出を提出する
  3. 住民税の普通徴収で副業バレを防ぐ
  4. 本業に支障が出ない範囲で活動する
  5. 所得20万円超えたら確定申告を行う

ルールを守って正しく始めれば、会社員とハンドメイド作家の両立は十分に可能です。


就業規則の副業禁止条項を正確に読み解く

「副業禁止」と書いてある場合でも、すべての副業が禁止されているとは限りません。以下のポイントで条文を読み解きましょう。

条文の意味の見極め方

条文の表現 実際の意味
「業務に関する営利事業への従事を禁ずる」 競業のみ禁止(ハンドメイドは対象外の可能性)
「会社の許可なく他の業務に従事してはならない」 許可制。申請すれば可能
「従業員は副業・兼業をすることができない」 原則禁止。要確認
「勤務時間外の活動について制限しない」 自由に副業可能

条文が曖昧な場合は、人事部や法務部に確認するか、社会保険労務士に相談しましょう。


副業届出書の記載例

許可制・届出制の会社に提出する場合の記載例を紹介します。

副業届出書(例)

項目 記載例
副業の種類 個人でのハンドメイド作品の製造・販売
販売チャネル minne、Creema、メルカリ等のECサイト
活動時間 週末・休日中心、平日夜間一部(週10時間以内)
年間収入見込み 50万円以下
本業への影響 業務時間外の活動のみのため影響なし
競業への該当 会社の事業と無関係なため非該当

誠実かつ明確に記載することが、許可を得やすくする最大のポイントです。


ハンドメイド副業が「事業所得」か「雑所得」かによる違い

税務上の所得区分によって、確定申告の方法や青色申告の適用可否が変わります。

区分 判断の目安 メリット
事業所得 継続的・反復的な販売、帳簿あり 青色申告可・損益通算可
雑所得 副業的・小規模 手続きがシンプル

2022年以降、副業の事業所得認定には「帳簿の保存」が要件のひとつとされました。会計ソフトを使って記帳を続けることが、事業所得として認められる根拠になります。


副業を本業に育てるためのロードマップ

多くのハンドメイド作家が夢見る「副業から専業へ」の転身。その道筋を整理します。

ステージ 売上目安 やること
スタート期 年間10〜50万円 就業規則確認・開業届・青色申告の準備
成長期 年間50〜200万円 経費管理・SNS強化・商品ラインナップ拡充
確立期 年間200〜500万円 専業化の検討・専従者給与・節税対策
独立期 年間500万円以上 会社退職・法人化検討・税理士との連携

会社員ハンドメイド作家がよくやる失敗と対策

失敗 対策
就業規則を確認せずに始める まず就業規則を取り寄せて確認
住民税で副業がバレる 確定申告で普通徴収を選択
経費を記録しない 月次でスプレッドシートまたは会計ソフトに入力
確定申告を忘れる カレンダーに「2月16日〜3月15日」を登録
本業の時間に副業をする 副業は勤務時間外に限定

まとめ:会社員ハンドメイド作家の必須チェックリスト

  • 就業規則で副業の可否を確認した
  • 必要に応じて副業届出書を提出した
  • 開業届(任意だが推奨)を税務署に提出した
  • 青色申告承認申請書を税務署に提出した
  • 確定申告の期限をカレンダーに入れた
  • 住民税を「自分で納付(普通徴収)」に設定した
  • レシート・領収書の保管を始めた
  • 会計ソフトまたはスプレッドシートで記帳を始めた

会社員とハンドメイド作家の両立は、正しい知識と手続きさえあれば十分に可能です。一つひとつのステップを着実に踏んで、理想のハンドメイドライフを実現させてください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の労務・税務判断は専門家にご相談ください。情報は2026年4月時点のものです。