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子ども向けハンドメイド商品の安全基準と販売時の注意事項

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子ども向けハンドメイド商品のリスクを正しく理解する

子ども向けのハンドメイド商品(おもちゃ・スタイ・ベビー服・ぬいぐるみ等)は、一般の雑貨と比較してより高い安全性が求められます。子どもは口に物を入れる・引っ張る・かじるといった行動をとるため、大人が「大丈夫」と思う作りでも、実際には事故につながるリスクがあります。

日本国内では年間数千件以上の子どもの誤飲・窒息事故が報告されており、そのうちの一部はおもちゃ・アクセサリー・手作り品が関係しています。


子ども用品に求められる安全基準

STマーク(玩具安全基準)

STマークは、日本玩具協会が定めた安全基準に適合した玩具に貼付されるマークです。法的な義務ではありませんが、STマーク取得商品は物理的安全性・可燃安全性・化学的安全性の3領域で基準を満たしていることを示します。

ハンドメイド作家がSTマークを取得することは現実的ではありませんが、STマークの基準内容(小さいパーツの使用禁止基準・素材の安全性等)を参考にして設計することは有益です。

CE規格(欧州安全基準)

海外への販売を視野に入れる場合、欧州連合(EU)のCE規格への準拠が必要になります。CE規格では玩具の物理的・化学的・電気的安全性に関する詳細な基準が設けられており、特に0〜14歳を対象とした玩具に適用されます。

主な安全基準の比較

基準 対象 強制力 取得方法
STマーク 日本市場向け玩具 任意(業界自主基準) 日本玩具協会への申請
CE規格 EU市場向け製品 EU向け販売では必須 第三者機関による試験・認証
PSCマーク 特定製品(ベビーベッド等) 法的義務 経済産業省への届出

誤飲・窒息リスクのある素材・パーツ

危険なパーツのサイズ基準

子どもの気道の最小径は約1cmといわれており、直径3.17cm(125mm厚の円に接する直径31.7mmの円を通過する)未満のパーツは3歳未満の子どもには危険とされています。これはいわゆる「スモールパーツ基準」です。

使用を避けるべき素材・パーツ

パーツ・素材 リスク 代替案
小さなビーズ(直径3cm未満) 誤飲・窒息 大きなビーズ・フェルト素材に変更
小さなボタン 誤飲・窒息 スナップボタン(プラスチック大型)・刺繍
安全ピン・クリップ 刺さるリスク 使用しない
ひも・コード(長さ22cm以上) 首絞まり 30cm以上のひもは極力使わない
磁石(特に強力なネオジム磁石) 複数個誤飲時の腸閉塞・穿孔 磁石不使用に変更
有機溶剤を含む塗料・接着剤 化学物質中毒 食品安全グレードの素材を使用

「3歳未満不可」表示の義務と対象商品

警告表示が必要な商品

特定のパーツや特性を持つ商品には「3歳未満の子どもには使用させないでください」の警告表示が推奨されます。法的に明示的な義務があるわけではない場合も多いですが、事故が起きた際の責任回避・購入者への情報提供として必要です。

表示が必要な目安

  • 直径3cm未満のパーツを含む商品
  • 複雑な構造で部品が外れやすい商品
  • ひも・コードを使用した商品
  • 磁石を使用した商品

表示例

※このアイテムには小さなパーツが含まれています。3歳未満のお子様への使用はご遠慮ください。誤飲・窒息の危険があります。保護者の監督のもとでご使用ください。


安全性を伝える商品説明文の書き方

信頼を高める商品説明のポイント

安全性への配慮を商品説明に盛り込むことで、購入者(保護者)からの信頼を高められます。

記載すべき情報

  • 使用素材の安全性(日本製・食品安全グレード等)
  • 対象年齢
  • 使用時の注意事項
  • 洗濯・お手入れ方法
  • 制作者の安全への取り組み

記載例(ベビースタイの場合)

【素材】オーガニックコットン100%・スナップボタン(プラスチック製)
【対象年齢】0歳〜2歳頃
【安全への配慮】ひも・小さなパーツは一切使用しておりません。スナップボタンは安全で外れにくい設計です。
【洗濯方法】手洗い推奨・乾燥機使用不可


子ども用品販売のリスク管理まとめ

チェック項目 確認内容
パーツサイズ 直径3cm以上のパーツのみを使用しているか
ひも・コードの長さ ひもは22cm以下に抑えているか
素材の安全性 有害物質を含まない素材を使用しているか
警告表示 3歳未満不可の表示が必要な商品に記載しているか
対象年齢の明示 商品説明に対象年齢を明記しているか
PL保険 製造物責任保険に加入しているか

まとめ

子ども向けハンドメイド商品は、大人向け商品以上の安全配慮が必要です。小さなパーツ・ひも・磁石などのリスク要素を排除し、対象年齢と使用上の注意を明記することが基本です。製造物責任保険(PL保険)の加入も子ども用品を扱う場合は特に検討してください。安全性への真摯な取り組みが、購入者(保護者)からの信頼と長期的なリピーターにつながります。